目先の成績にこだわらない
9月以降は学校行事の多い時期です。体育祭や文化祭などで、落ち着いて勉強できないと悩む人が多いはずです。この対策としては、どんなに忙しくても毎日必ず2時間は勉強時間を確保することです。どうしても無理なときは30分だけでも、1日1回は必ず机に向かうこと。そうすれば、時間は短くても「勉強の勘」が失われないので、本来の集中力をすぐ取り戻すことができます。
また、秋は模擬試験が多くなる時期でもあります。この場合、気をつけなければならないのは、目先の成績にこだわって試験結果に一喜一憂したり、試験範囲の勉強にのめり込んで長期的な学習スケジュールを崩してしまうことです。模擬試験にかぎらず、学校や塾のテストは自分の弱点を発見する最良の機会ととらえ、できなかった問題をチェックし、その分野をもう一度きちんと復習するよう心がけましょう。自分本来の勉強のペースを崩さず、学校や塾の予習・復習もきちんと行い、落ち着いて学習することが大切です。
〔英語・数学・国語〕
主要3教科は、なるべく早く中学の範囲を終わらせるよう努力することです。10月下旬ごろまでに教科書レベルの内容をひととおり終えることができれば理想的です。
また、9~10月は、基礎力を強固なものにすることに主眼を置くことが大切です。11~12月は、公立入試よりもやや難しめの問題を解いて、応用力の養成を目指しましょう。私立高校の場合、難関校はもちろんですが、中堅といわれる高校においても、公立入試よりはるかに難しい問題が出題されるのが一般的だからです。
〔理科・社会〕
理科・社会とも自己流で先に進むよりは、学校や塾の授業のペースにあわせて学習するほうが能率的です。こちらも、年末までには全範囲をひととおり終了させる必要があります。単に教科書を読むだけではなく、学習した範囲は必ずその関連分野の問題を解いて、本当に理解したかどうか確認しておくのがコツです。
〔入試問題研究〕
11~12月ごろからは、志望校の過去の入試問題に取り組む必要があります。実際の入試問題を解くことにより、どの程度のレベルまで学習すればよいかがわかり、ラストスパートの際に大きな力を発揮できます。少なくとも第一志望の学校は過去5年分、第三志望の学校までは過去3年分くらい解いておきたいものです。
三者面談と志望校の選択
春からきちんと受験勉強をスタートさせた人は別ですが、一般的には、10月ごろまではまだ勉強量が十分ではありませんから、模擬試験などの成績が思うように伸びず、志望校を変更しようかと悩んでしまうケースが多いようです。特に文化祭や体育祭で忙しく、一時的に成績が下がる場合や、英・数・国の主要3教科は十分実力があるのに、これから本格的に受験勉強を行う理・社の成績がいま一歩の場合、その人の本来の実力よりも低い学校を選んでしまいがちです。「目先の成績にこだわらない」ということは、志望校選択についてもあてはまります。
自分の本当に進学したい学校を目指して、一生懸命努力をするのが最も効果的です。目先の成績に左右されず、春の入試を目指してまい進しましょう。また、三者面談においても、自分自身の志望校と学習計画を、担任の先生によく理解してもらい、先生方の指導を参考とし、自分を見失わない学校選択を行いたいものです。